こんにちは。カウンセラーの風美良來(かざみらら)です。
「自分にもっと自信を持てたなぁ」
そう悩んだことはありませんか?
その背景には、自己肯定感と自己効力感という2つの“心の感覚”が関係しています。
どちらも「自信」や「自己信頼」に関わる大切な要素ですが、意味も働き方も異なります。
この記事では、それぞれの違いや特徴を、やさしく解説していきます。
自己肯定感とは「自分の存在そのものを認める」感覚
自己肯定感とは、「できる・できない」に関係なく、自分の存在そのものを肯定する感覚です。
失敗しても「自分には価値がある」と思える。
他人と比べて落ち込んでも「私は私でいい」と思える。
このように、自分自身の存在に安心感を持てる状態が、自己肯定感がある状態といえます。
この感覚は、幼少期からの経験や人との関わりの中で育まれることが多く、
「あなたはそのままで大丈夫」と受け入れられた体験の積み重ねで育つといわれています。
そのため、子供のころの周囲との関係性や環境に影響を受けやすいのも特徴です。

自己効力感とは「自分にはできる」という感覚
一方で、自己効力感は「自分にはできる力がある」「挑戦すればなんとかなるかもしれない」
という、行動に対する自信のようなものです。
・新しいことに取り組む前に「不安はあるけれど、できるかも」と感じる
・困難に直面したとき、「何とかなりそうだ」と思える
こうした感覚が、自己効力感にあたります。
この力は、過去の「できた」「うまくいった」などの
成功体験の積み重ねによって育っていきます。
自己肯定感と自己効力感、どちらも大切
この2つはどちらも“自分を信じる力”という意味では共通していますが、役割は異なります。
・自己肯定感= 「どんな自分でも、自分の存在そのものに価値がある」と思える力
・自己効力感= 自分の行動や能力に対する「やればできる」という信頼感
自己肯定感と自己効力感はお互いに影響し合っています。
たとえば、自己肯定感が高い人は、多少の失敗があっても心が折れにくいので、
行動を続けることができます。
その結果、小さな成功体験が積み重なり、自己効力感も自然と高まっていきます。
また、自己効力感が育ってくると、「行動できる自分」に対する信頼が生まれ、
結果的に「こんな自分も悪くない」と思えるようになり、
自己肯定感の向上にもつながっていきます。
ただし、必ずしも両方が高いとは限りません。
「存在は認められるけど、何かをやり遂げる自信はない」と感じる人もいれば、
「結果は出せるけど、内心では自分の価値を感じられない」という人もいます。
この2つの感覚は、どちらか一方だけでは心の安定にはつながりにくいので
バランスよく育てていくことが大切です。
自己効力感は小さな成功体験から
「自信なんて持てない」「何もできない自分が嫌」と感じているときは、
自己効力感が下がっているサインかもしれません。
自己効力感は、日々の小さな「できた」の積み重ねから育てることができます。
・今日は決めた時間に起きられた
・やるべきことに少しだけ手をつけられた
・これなら確実にできる、ということをやってみる
こうした、小さな行動からでも、「できたこと」注目して、
できたら、自分を思い切りほめてあげてくださいね。
「やればできる」という感覚を少しずつ育てることができますよ。
最初から大きなことに挑戦する必要はありません。
小さな一歩を地道にコツコツと続けてくことが、
やがて「やればできる」という自信につながっていきます。

自己肯定感は「ありのままの自分を受け入れる」から
自己肯定感は、行動の結果に関係なく「今の自分をどう見ているか」がポイントになります。
もしあなたが、「いつも人の目が気になる」
「うまくできないと、自分には価値がないと感じる」
「失敗すると、自分を責めてしまう」
そんなふうに感じて落ち込んでいるのなら、自己肯定感が弱まっているのかもしれません。
この感覚は、いきなり回復するものではありません。
まずは自分のことを「やさしく見てあげる」から始めてみましょう。
・失敗や弱さを責めるのではなく、「そんな自分もいる」と受け入れる
・ 他人と比較せず、過去の自分との違いを見つめる
・ 「価値=成果」ではないという視点で見てみる
・ 自分の感情に寄り添い、日常的に自己対話を行う
「今日の私、よく頑張った」
「うまくいかなくても、努力した自分を認めよう」
そうした言葉を、自分にかけてあげることが大切です。
自分を信じる力は、育て直すことができる

自己肯定感も自己効力感も、生まれつき決まっている訳ではなく、
あとからでも育て直して高めていくことができます。
「もっと自信を持ちたい」と感じるとき、
それは自己肯定感や自己効力感が揺らいでいるサインかもしれません。
焦らなくても大丈夫です。小さな一歩からで構いません。
「できたこと」に目を向けながら、少しずつ、自分への信頼を取り戻していきましょう。
ただ、そのためには少し時間が必要ですし、自分ひとりでは気づきにくいこともあります。
だからこそ、必要であれば、サポートを受けながら、
自分の心と向き合ってみるのもひとつの方法です。
「少しだけ話してみたい」「試しに相談してみたい」
という方にはお試しカウンセリングもご用意しています。
どうぞお気軽にご利用くださいね。
